仕事と家庭とお金の関係。

コピーライター:寺本隆裕

From:寺本隆裕

家族を持つ者として、
仕事と家庭のバランスは難しいもの。

仕事に没頭し過ぎると家族の信頼残高を落としてしまう。

逆に、家族ばかりに気を取られると、
頑張りどころで力が出せず、チャンスを逃してしまう。

「家族との信頼残高」を意識しながら仕事を頑張る。
そんなバランス感覚が大事ですよね。

かくいう僕も、
最近ちょっと仕事に偏りすぎていて、
嫁との信頼残高が下がってきてしまっていたため、
預け入れのために、平日に休暇を取りました。

うちには息子が2人います。

長男の隆星(りゅうせい(6歳))は幼稚園に行っているのですが、
次男の一星(いっせい(2歳))はずっと家にいて、一日中嫁が面倒を見ています。

大前研一さんが、
子育ては仕事よりもはるかに重労働だ、

と言っていたとおり、
確かに子育ては時間が拘束されたり振り回されたりする、
という意味で、かなりの重労働だということには共感出来ます。

なので、
週に1回でも、2週に1回でも、
嫁がひとりの時間を作れるよう、
会員制の「子供預かりサービス」に登録に行くことにしました。

そこは大阪のミナミにある、
とあるショッピングビルの上にある施設で、
年会費をいくらか支払うと、
そこから1時間あたりまた数千円で子供を預かってくれるというところ。

保育所ではないので最初は保護者同伴ですが、
子供がそこのスタッフに慣れれば、子供だけ預けることもできます。

その間、母親はそのショッピングビルやその界隈で、
お茶したり買い物したり、、、ができるというわけです。

車に乗り、施設に行ってみると、
とてもきれいな場所でした。

おもちゃも良さげな木のおもちゃ。
ドリンクも飲み放題で、スタッフのお姉さんも優しそう。

ひと目で気に入り、

「入会したいんですけど、どんな仕組みか教えてくれませんか?」
と、スタッフに声をかけました。

年会費と利用料の説明を聞き、

「へ~。いいやん。
とりあえず今日、入会だけしとけば?」

と僕が言うと、嫁も「そうやな」と応じます。

今日預けるつもりはあまりなく、
とりあえず入会だけしようと思ったのです。

そのことを伝えるとスタッフは気を利かせ、

「そうですか。年会費の有効期限は入会のタイミングから1年間なんで、
今日ご利用されないなら、次回、ご利用のときに入会されたほうがお得ですよ」

とアドバイスをくれます。

嫁は「そうですか。じゃぁそうします」

と、パンフレットを受け取り、
その施設を出ようとしたのです。

が、ついてきていた一星が、
そこに置いてあったおもちゃに夢中でついて来ません。

「いっせい~」

と声をかけても、聞こえてるくせに無視します。

(ほとんどしゃべらないくせに、
こっちの言ってる意味はわかるんです。

このままついていっても、
大人の買い物に付き合わされるだけで面白くない、と思っているかもしれません)

んー、、、
動かへんな。

「じゃあ、買い物行って来たら?
オレ横で見とくし、今日入会して預かってもらったらいいと思うねん」

信頼残高預け入れのチャンスと見た僕は、
嫁を一人で買い物(リフレッシュ)に行かせ、
子供を見ておくことにしました。

幸い、最初はちょっとびびっていた一星でしたが、
さすがプロのスタッフさん。

すぐに打ち解けて、楽しそうに遊びはじめました。

僕はだいぶ離れたところにいたのですが、
一星はこっちを見ることもなく、初めてのおもちゃで楽しそうです。

1時間ほどして嫁が戻って来ましたが、
ずっと欲しかった帽子が買えたと喜んでいました。

少し、信頼残高が回復した瞬間でした。

個人的には大満足だったこの預かりサービスですが、、、

セールスの観点から見ると、
とても大きな間違いをしていることに気がついたでしょうか。

それは、入会しようとしている僕らに、

「今日もし利用しないんだったら、次回にしたほうがお得だ」

という部分です。

もちろん、このスタッフは好意でそう言ってくれたのでしょうし、
実際、そのとおりなのかもしれません。

しかし、、、
買おうとしている瞬間(申し込もうと思っている瞬間)が、
もっとも買い手の気持ちが高まっているとき。

なので、そのタイミングで「後回し」にさせるということは、
セールスをするものとして、絶対にやってはいけないことです。

実際、「次回」があるかどうかはわかりません。

そもそもこの施設の存在も、1年ほど前から知っていました。
そして、行きたいとは思っていたものの、なかなか行けなかったのです。

で、たまたま、

「今日どこ行こうか。あ、そういえばあそこにこんな施設があるって言ってたよな。
よし、今日は天気もいいし、一星も元気。時間もあるし行ってみよう」

となったのが、今日のタイミングなのです。

つまり、偶然が重なり、今日の「入会希望」に至ったというわけです。

その絶妙なタイミング。

「次回」があると期待するのは、
セールスマンとして甘いのです。

「後で、は、セールスの死」

という言葉があるように、
今、買わなければ、後で、買うことはない、と考えなければいけないのです。

この施設の場合であれば、

例えば入会金をもらっておいて、

初回利用から1年間有効、
という仕組みにしておけば、
入会希望者をみすみす「後回し」にすることもないでしょう。

これはオーナーのオファー設計ミスでしょうね。

あるいはもっと見込み客の「今」のタイミングを大事にするなら、

入会時に、入会金+数回の利用料を先払いすれば、
何か特典がもらえるとか、そういったオファーをして、
単価を高めたり利用頻度を上げる工夫もできるでしょう。

(その施設はおもちゃや子供用品などの商品販売もしているので、
利用頻度の向上はアップセル販売の機会に直接つながるのです)

「後で、は、セールスの死」

見込み客の気持ちがMAX盛り上がっている「今」が、
販売するベストなタイミングです。

「申し込んだけどお金が入金されない」
「あのときはお客さんもめっちゃ盛り上がってたのに、
全然正式注文が来ない」

なんて事態が起こるのはこのためです。

買う決断をしたタイミングで、
できるだけお金をもらうようにしましょう。

できるだけ多くのアップセルをしましょう。

少しのセールストークのチューニングや、
支払のプロセスを見直すことで、
セールスの結果に大きなインパクトがあるのです。

でも、あんまりのめり込み過ぎて、

家族との信頼残高をなくさないように、、、

コピーライター:寺本隆裕