コピーライターにUSPは必要か?

From:寺本隆裕
新幹線を降りたばかりのスタバより、、、

またあいつを見かけた。
これは偶然にしてはすごい確率です。

あいつといっても、あいつは僕のことを知らないし、僕もあんまり良くは知りません。
あいつといっても歳上です。

というか、あいつって誰だって?

ほら、閉店ガラガラの例のあいつですよ。

「ますだおかだ」の「おかだ」ですよ。
(「ますだたくお」の「ますだ」ではない。)

以前メルマガで話した通り、9月に東京に行った時も帰りの新幹線で彼を見かけました。

彼は、

「あ!そうか!」
「しまった!」

と小声でひとりごとを言いながら、自分のカバンを席の上の棚に置いたり取ったりを繰り返していました。わかりやすく言うと、挙動が不審でした。

で、先日も東京から新幹線で帰ってきた時、新大阪についたので降りようとしたら、僕の斜め後ろあたりの席に彼がいたのです。彼も新大阪で降りる所だったんですが、車両の前のドアから降りようとして数歩進み「あ!」と声をあげて引き返し、後ろのドアの方に向きを変えて数歩進んでまた「あ!」と声をあげまた向きを変え、結局また前のドアの方に歩いて行きました。

前回同様、相変わらずイメージ通りのキャラでした。

彼は特に芸人の中では面白い方ではないと思うのですが、「キャラ」のお陰で上手く行ってるんでしょう。挙動はちょっと不審な感じはしますが、憎めなさというか、可愛らしさを感じます(年上の男ですが)。必ずしも見た目が綺麗な女性タレントが売れるわけではないように(見た目の綺麗なのは当然のベースラインですから)、芸能界を戦っていくためには、いろんな「切り口」「キャラ」「個性」が必要なんでしょう。

商品やサービスを売るときは、「USP」がそれに当たります。

USP=「他社にはない独自のウリ」

確かにセールスコピーにおいてはこのUSPを中心にコピーを組み立てていくことになりますから、USPがなければコピーはとても書きにくいものになります。

しかし我々コピーライターにとっても、我々自身のUSPは必要なのでしょうか?

というのも先日、「寺本への質問フォーム」に、Sさんからこんな質問をもらったのです。

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『寺本様 こんにちは。 私はコピーライターのSです。

寺本様の12週間コピーライティング実践プログラムに参加し、先月で無事に修了することができました。濃い内容をありがとうございます。 実は最近、コピーライターとして悩んでいることがあります。

それが、ポジショニングです。
やはり、コピーライターにもポジショニングって必要なのでしょうか?

まだまだコピーライターの数は少ないと思いますが、これから増えることを考えると、USPを打ち出していった方がいいのでしょうか?お忙しいとは思いますが、回答して頂けたら幸いです。よろしくお願い致します。』
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Sさん、質問ありがとう!

確かにセールスレターを書くときには、商品のUSPをみつけてそのUSPを中心にメッセージを組み立てていくことになりますし、むしろそれがなければコピーで「書くこと」がなく、困ってしまいます。

しかし、コピーライターの場合はどうなんだろうか?
USPや他のコピーライターとの差別化は必要なんだろうか?

これについて、いくつかの情報をシェアしようと思います。

*「1人ビジネス」支援のプロの意見

1人ビジネスマスターであり、「1人ビジネス大学」を開発した西田光弘さんによると、1人ビジネスで年収1,000万円に到達するのに大事にすべきなのは他社との競争や差別ではなく、お客さんとの「関係性」だということ。西田さんはこれを「町医者モデル」だと言っています。病気になったらまず行く地元の小さな病院。そこは大きな病院と比べて設備も整っていなければ、専門的な治療を受けられるわけでもない。でも、いつも行ってるし安心できるし、もし特別な治療が必要だったら適切な病院を紹介してもらえる。だからいつもそこにとりあえず行く。

他の病院よりも優れているというわけでもなければ、地元にある他のちいさな町医者との明確な違いやUSPもない。でも、医者と患者の「関係性」によってビジネスが成り立っている。遠くからはるばるやってくる患者さんは少ないけど、身近にいる同じ患者さんが繰り返し来てくれる。その家族や知り合いが「紹介」でやってくる。そんなスタイルのビジネスが町医者の関係性ビジネスです。

クライアントにとって自分がそんな「町医者」になることが、1人ビジネスの基本だということです。

「1人ビジネス大学」

http://www.theresponse.jp/nishida/
起業支援のプログラムなのに、起業後の人にも大絶賛されています。
「起業する前に知っておきたかった」「なんでこんなに丁寧に教えられるんだ」と、、、)

*寺本の回りのコピーライターの状況

全然、需要が供給に追いついていない状態です。名刺に「コピーライター」と書いて配ると、「え!コピー書いてるんですか?ぜひうちのもお願いしたいんですが!」と言われます。ちなみに、先日セミナーで会った人は、別にコピーライターじゃなかったんですが、試しに名刺のすでに3つほど書いてある肩書きにもう1つ「コピーライター」と追加したら、名刺交換した人の食いつきに驚いたそうです。(それ以外の肩書きではほとんどリアクションされないのに!)

この間ブログで紹介した彼のように、まだ始めたばかりのコピーライターにさえ、十分な需要・ビジネスチャンスがあります。

http://www.theresponsecopy.jp/?p=4284

*マーケット・ステージについて

今度ビジネススクールの「コピー基礎コース」でも話しますが、「コピーライター」としてのマーケットのステージもまだまだ、ほとんど競合がおらず競争も少ない状態です。つまり「コピー書きます」と言ったもん勝ち状態です。

ヒント:
「パソコン」を世界で始めて売るとき(他に誰もパソコンを売っていない状態)、そのパソコンにUSP(ほかのパソコンとの差別化)は必要でしょうか?

*コピーライターという仕事の特徴について

とはいえ、コピーライターとしての競争が激しくなってくるのはまだまだ先になるでしょう。というか、激しくなるのかも疑問です。

なぜならコピーライターはクライアントのために自らコピーを書く人です。つまり仕事の性質上、多くのクライアントと同時に仕事をすることが物理的に無理(たくさん売るのが無理)な商品です。そのためコピーライター同士のクライアントの奪い合い競争などにはなりにくいというわけです。

というわけで、結論!

USPなんていらない。
他のコピーライターとの差別化もいらない。

やっていく中で得意な分野が出てくるかもしれないし、ある分野に特化したほうがリサーチが楽になるというのに気づくかもしれません。でもまずは、、、

ガンガン自分を売り込みましょう。
どんどん勉強して実践して、稼いで、スキルアップしましょう。

 

 


Facebookにコメント

  1. トモ・クルーズ さん: 2012年11月12日 21:01

    値千金の情報!

  2. いつも楽しみに拝見しています。
    1人ビジネスの基本は町医者になる
    胸のつかえが下りたような気がしました。
    ありがとうございます。

  3. 寺本様

    コピーライターのSです。

    今日のメルマガのタイトルを見て、
    「もしや!?」と思い、開封しました。

    ご質問に答えて頂き、本当に
    ありがとうございます。

    胸のつっかえが取れたような、
    そんなスッキリした気分です。

    これで、頭の中から
    「余計な考え」が一つなくなりました。

    余計な考えがなくなったのですから、
    私のコピー街道を進むスピードは、
    増々アップすると思います。

    コピー街道を爆進ですね(笑)

    本当にありがとうございます!

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