知らぬ間に売る技術

From:小川忠洋
大阪のスタバより、、

 先週、社内のスタッフのセールスレターのレビューをした。彼はまだ、セールスレターを書き始めて、間もない。2、3ヶ月目だ。しかし、今回、彼が書いたセールスレターは、とても上出来だった。何故なら、ある秘訣を使ったからだ。。。

 それが、これだ。。。

****

高校1年間で1勝もできなかった男がなぜ、
レスリングチャンピオンになれたのか?
「あの男には勝てないだろう」誰もが私にそう言った・・・
しかし、その試合の残り13秒で…!

ウェインは、前年の大会で優勝した州のチャンピオン。昨年は18対1というものすごい差での優勝であり、2年間負けたことが一度もなかった。しかも、アメフトでも州代表チームのランニングバック、更には、100メートル走の州チャンピオンでもあった。とにかく驚異的なアスリート。

私の準々決勝の相手は、その「最強の男」ウェイン。

州チャンピオンを目指していた私は、この大一番に向けて集中力を高めた。

「おっ、いよいよウェインの登場だ!」

会場中が、「最強の男」ウェインの登場に沸いた。観客達はウェインの強さを一目見るために集まっていたのだ。

「次の対戦相手は誰?」

「マット・ヒューリーだって。聞いたことないな」

「これまでの成績も大したことないみたいだぜ。高校1年の時は0勝11敗だって!これはダメだな。一瞬でケリがつくよ」

会場からは、私に対する嘲笑が聞こえた。その日会場にいた観客の誰もが口を揃えてこう言っていた。

「この試合はウェインが勝つさ。準決勝進出は間違いないね。」

私は、自分がすべきこと、この試合に自分の力を最大限発揮し、ウェインに勝利することをイメージしていた。試合が近づき、私とコーチは選手控え室へと移動を始めた。そしてその時、コーチの口から信じられない言葉を聞いた。コーチは私にこう言った。

「マット、おそらくお前は勝てないだろう・・・」

私は愕然とし、一瞬言葉を失った。しかし、気持ちを立て直し、力強くこう言いきった。

「みんながビックリする結果にしてみせます」

試合会場につき、私は目を閉じ勝利を祈った。

「なんだ、あれは!?何かのおまじないか?」という笑い声が聞こえた。

「そりゃ、相手がウェインなら勝つためには、神様にお願いするしかないからな」と会場の観客のあちこちからは、嘲笑がおこっていた。

試合は始まった・・・

観衆は水を打ったように静まり返っていた。笑いは魔法のように会場から消え去った、そのとき誰もが目を疑っていた。観衆が驚きで息をのむのが聞こえてきた。目の前に繰り広げられている光景がまるで信じられないようだった。

****

 この後、マットはウェインに勝利する。そして、マットフューリーの勝利の秘訣から、商品のベネフィットに続き、セールストークに変わる。

 想像してみて欲しい。あなたが、見込み客だったとして、この商品のセールスレターを読んでいる所を・・・このセールスレター、このオープニングは、とても読みやすく、、引き込まれるように読まれるような感じがしなかっただろうか?

それが、ストーリーの力

 ストーリーは、セールスレターの中でも、最も強い、最もパワフルな技術である。人は、誰だって、何かを売られると思ったら、自然と防衛本能が働く。「売られまい」として、警戒するようになるのだ。

 ストーリーはこの防衛本能を呼び起こさない。レーザーがガラスを突き抜けて隣りの部屋に行くように、この大きな壁があたかも存在しないかのように、突き抜けてしまうのだ。そして、相手の心に直接、響き渡る。

 コピーライターとして、このストーリーを語る能力はとても重要だと思わないか?実際、トップセールスマンは、みんなストーリーを語る事に長けている。ストーリーを通して、自分の伝えたいメッセージを、ストーリーに乗せて、相手の心に届けるのだ。決して、防衛本能と戦う必要はない。

 ちなみに人は一度、防衛本能が呼び起こされると、それを解除するのにはメチャメチャ苦労する。下手なセールスマンは、一方的にメリットを伝えて、それを解除しようとするが、それは逆効果で、壁がどんどん厚くなるだけだ。

村上春樹にならなくてもいい。
パターンがある

 しかし、ストーリーを語る能力と言うと、村上春樹のようなベストセラー作家にでもならなきゃいけないんだろうか?と言うような疑問がわく。もし、そうだとしたら、ほとんどの人には優秀なコピーライターになる望みはないだろう。

 しかし、そうではない。村上春樹になる必要はない。セールスに使うストーリーと言うのは、1Q84のような長編である必要はない。ほんのちょっと、2、3行だっていいのだ。それが、メッセージを伝えてさえいれば・・・

 今回、採用したストーリーは、『弱者が強者に勝つ』と言う典型的なストーリーのパターン。このストーリーはどの業界でも、どんな商品でもほぼ使えるだろう。これの変形で、『バカにされてた人が、周りを見返す』とか。

  • 例えば、ダイエットに失敗続きで、女友達からバカにされてた子が、ミラクルダイエットで痩せてキレイになって、モデルみたいな男と一緒にいる所をその女友達に見せつけるとか、、、(女の人は一回はやってみたいはず。)
  • 例えば、コピーで稼ぐなんて言ったのをバカにしていた嫁に、その月に入ったコミッションの額を見せて、一発かましてやるとか、、、
  • 例えば、ネットワークビジネスで友達にさんざんバカにされてきた人が、ベンツで同窓会に登場するとか、、、

 こういった感じで、どのケースでも使えるし、どのケースでも、見込み客の防衛本能の壁を素通りすることができる。売れるストーリーには色んなパターンがあって、これはパターンの一つだ。売れるストーリーは見込み客があなたや商品に感情的に結びつきを感じる事ができる。だから、売れる。人は感情的になった時にこそ、行動をする。

 泣いたり、怒ったり、悲しんだり、喜んでテンションがあがったり、、、そんな時にこそ、行動する生き物なのだ。

 ダンケネディのコピーライティング33のトレーニングを見れば、そのパターンを学んでストーリーを語るスキルを身に着ける事ができるだろう。その中のストーリーのセッションを見て行くうちに、自分の商品、自分の会社に合うストーリーのパターンが見つかるだろう。

 
-小川忠洋


Facebookにコメント

  1. uezono さん: 2010年05月28日 18:21

    多くの人々に感情を巻き起こした、
    「バカにされてた人が見返す」
    ストーリーの典型として、スーザン・ボイルさん
    を思い出します。

    すごいですよね。

    インターネットで配信された画像には勝らずとも、
    あの画像を「そうそう!」と思い出させる
    位のストーリーを語れるようになりたいです。

    ありがとうございます。

  2. TakayukiSaito さん: 2010年05月28日 16:04

    出来る営業マンは、ストーリー作りがウマイ。
    まさに小川さんの言うとおりである。

    立て板に水のような流れるトークであっても、
    商品の説明ばかりではお客さんは間違いなく飽きる。

    商品説明以外の世間話や他のお客さんの成功事例を
    ストーリー仕立てで話すことに長けていないと、
    お客さんに全てのベネフィットを話す為の時間も
    確保出来ない。

    お客さんを引き込むことが出来れば、
    こちらが伝えたいことを全て伝えられる。

    シンデレラストーリーや一発逆転の映画や
    ドラマ、書籍がこれだけ売れるのを見ても
    成功物語は誰もが好きな話。

    基本的に僕らが売るのは、ある種の成功物語である
    のだから、コピーにおいてもこのストーリーで売る!
    という考え方はとても大切なポイントだと思う。

  3. 橘高哲朗 さん: 2010年05月28日 15:30

    昔専門学校で教員をしていた時期があります。

    毎年色々な人が入学してきます。
    大半は目標をもって入学してくるわけですが、中には

    ■大学に進学できなかったからとりあえず
    ■すぐには就職したくなかったからとりあえず
    ■人生に目標が持てないのでとりあえず

    などの消極的な動機で入学してくる人も少なからずいます。
    こういう人はモチベーションが低かったり、ずっと目標が決まらなかったり
    ということが多いです。

    入学直後に新入生に対して規則の周知や勉強の動機づけを行う
    オリエンテーションをするのですが、
    その際にこういった消極的な動機で入学して来た人たちの心に
    いかにして火をつけるか、
    とうのが大きなポイントに成ります。

    最初にしっかりと動機づけされると、別人のように伸びていくことは
    結構よくある話なのです。

    全体に向けて限られた時間の中で何を話すか。

    何年も何年も試行錯誤した結果、一番彼らの心に響いたのは
    「ストーリー」でした。

    今回のセールスレターのように、
    ストーリーをみんなに話すわけではないですが、

    ■高校時代、先生が呆れるらい勉強が苦手だった学生が、
    入学後4ヶ月でCGをマスターし、その6ヶ月後には
    アルバイトで商用ゲームのグラフィックを作るまでになった話

    とか、

    ■『人間には約100回失敗た後で急激に成長する「100回の法則」
    というものがあるから簡単に諦めるな』という話を信じて努力してくれた
    学生が急速にスキルを身につけていった話

    など実話をストーリー仕立てで話していくだけです。
    でも年々ハッキリと効果が上がっていくことは実感していました。

    どうすれば学生が充実した学校生活を送ることが出来るか
    イコール
    どうすれば学生が高いモチベーションで学ぶことが出来るか
    イコール
    どうすれば自分の仕事が自分の理想のあり方に近づくか

    という私と学生(ある意味顧客です)のメリットが一致するところに
    フォーカスした結果だろうな、と今振り返れば思います。

  4. 中島シンジロウ さん: 2010年05月28日 13:04

    小川さん、いつもためになる話をありがとうございます。

    先日「エス」という映画を見ました。

    小川さんがところどころで言ってますよね。
    なので前々から興味がありました。

    とても面白かったです。

    内容についての感想は話すと長くなるのでここには書きません。

    それよりも
    普段、映画はほとんど見ない僕が
    2時間ずっと張り付いて見てしまったことが恐ろしかったです^^

    2時間をカンタンに消費してしまう。
    これもストーリーの力なのでしょう。

    ちなみに・・・
    村上春樹さんの文章はよく意味が分からないので好きではありません。

    周りの人達は有名だからっていう理由で読んでいるような気がします。

    あんな小洒落た文より上のマットフューリーさんの話の方が分かりやすくて面白いです。

    それでは、いつもありがとうございます。

  5. takino hiroshi さん: 2010年05月28日 12:42

    ストーリー、それは最もパワフルな力。

    ストーリーは、見込み客の防衛本能を呼び起こすことなく、

    わたしや商品とを結びつける。

    それは「感情」―ひとは感情によってこそ行動する。

    売れるストーリーとは。

    見込み客の防衛本能の壁を素通りして、

    感情的に結びつきを感じることができるストーリーは?

    典型的なパターン‥

    「弱者が強者に勝つ」

    「馬鹿にされていたひとが周りを見返す」

    「ストーリー」は、実に奥深い。

    ストーリー、ストーリー、どこまで行ってもストーリー!

  6. 山﨑 峻 さん: 2010年05月28日 09:40

    寺本さん ご無沙汰致しました。 @埼玉JIJIです。
    先日5/22日 誕生日79才に成りました。

    レスポンスの記事、勉強させて頂いて居ります。
    年寄りには、パソコンの”壁”は高い?と感じます。

  7. 真崎四郎 さん: 2010年05月28日 08:42

    確かに心に感じます。
    うまいストーリーは頭に思い描きながら筋を追います。

    しかし、もう一人の自分がいます。

    ストリーと言うネタを知った自分です。
    いわば、手品のネタを知ってしまった自分。

    こういう言い方はおかしいのですが
    「だましテクニックの一つ」⇒本当はどう表現していいか
    わからないのです。だましではないのですが…
    (ごめんなさい)

    多くの情報商材に使われていて
    ああ、またこの手を使ってる…
    (うまく騙そう…ミエミエ)のような広告ページも見る訳です。

    自分の心が揺れています。

    さて、どう克服してゆけばいいのでしょう?

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