商品開発の極意

FROM:寺本隆裕

コピーを書く者として、多分あなたは、商品開発にも興味があるでしょう。
だから今日は『いい商品』に関する話をしたいと思います。

その昔、
引っ越しのトラックには屋根がありませんでした。

家財を運んでいる途中に雨が降ると、
運転手はあわてて家財をビニールシートで覆う。

そんなことをやっていました。
しかもそのビニールシートは、いつも汚れていたそうです。

それを見たある運送業者が、
自社で使っている箱形のトラックを引っ越しに使えば、
家財を雨で濡らしたくない人のニーズを満たせるのでは?

と、引っ越し業者に鞍替え。
トラックの写真とともに『これで家財を運びます』と広告を掲載。

アート引っ越しセンターの始まりです。

予想は大ヒット。
「その箱形のトラックで運んでくれるんですね?」

じゃんじゃん注文が来るようになりました。

「雨にぬれたくないという欲求は見事ヒットした!」

そう思っていたのですが、
しばらくして実際のお客さんの声を聞いてみたら、
意外な事実がわかりました。

実はお客さんが箱形トラックを選ぶには、
別の「欲求」があったのです。それは、、、

「近所の人に、荷物を見られたくない」
ということ。

実際、家の中の荷物を人に見られたくない、というのは当然でしょう。
よほど親しい人でも、自宅の寝室に招き入れることは、まずありませんよね。

でも引っ越しのときには、
普段なら寝室のクローゼットの奥に「隠して」あるようなものも、
全部荷物として運ばなければいけません。

もし、それが、新しく引っ越しする先の近所の人たちに見られたら・・・?

新生活は気まずくスタートすることになるかもしれません。

(それでなくても、人は周りの人のことを詮索したがるものです。
特に女性は、近所の人の話が好きですよね?)

つまり、自分たちが「いい」と思っていた部分、ではない部分に、
お客さんは「良さ」を感じていたわけです。

「売り手が思う『いい商品』と、
買い手が思う『いい商品』は、
ほとんどの場合一致することはない」

と言ったのは、確かランチェスター戦略の竹田さん。
上記のエピソードも、竹田さんの本に書かれてあったものだと思います。

商品を売るものとして。
常に足を使って、顧客の声に耳を傾けなければいけません。

決して、自分は何でも知ってると思ってはいけません。

顧客を知らなければ、
その商品が顧客にとって、どんなベネフィットがあるかなんて、
わかるわけがないのです。

PS
顧客を知ると、こんなに簡単にセールスレターが書けます。

http://www.theresponsecopy.jp/15step/

PPS
足を使う、ということにはかないませんが、
こういう風にアンケートを取るのも一つの方法。

『セールスレター・テンプレート』について、
コメントを入れてください。

http://www.theresponsecopy.jp/?p=2271
(既に入れてくれた人、ありがとうございます!)


Facebookにコメント

  1. ブラック★サワ さん: 2011年05月23日 18:44

    今では当たり前のことでも、1番手がやる前までは当たり前ではなかった。
    やはり2番じゃダメなんです。
    そして「家具を雨に濡らさない」と「家具が他人に見られない」は別のニーズですが、始まりは「お客さんのためのアイデア」なので、結果良かったわけですね。
    「箱なら飛ぶ心配もない」「たくさん積めそう」など、後から後から利点が浮かびます。
    このアート引っ越しセンターの先駆的な考えは、どんなビジネスにもスライドできますね。
    「だれもやっていないこと」を考え、打って出る。これが大勝の因か。

  2. 須藤克彦 さん: 2011年05月23日 13:59

    いつもお世話になります。
    購入しました。須藤と、もうしますが、小川さんの声が聞き取りずらく、何を話しているのか、わからない状態です、せっかくいい商品なのに残念でなりません。
    編集の精度を上げて頂きたい思いでいっぱいです。

  3. MAAMAA さん: 2011年05月23日 10:05

    確か「アート引越センター」の会社名は
    電話帳の1ページめに掲載されるために
    「アート」を付けたと聞いていました。

    さらに 今回のようなアイデアがあったのですね

    ウーン もっともっと考えないと駄目ですね!

  4. 茂田 道輝 さん: 2011年05月23日 09:28

    なるほどぉー、アート引越センターって
    こんな感じだったんですか。

    お客様へ常に注意をはらうと意味を
    再認識しました。

    価値の高い記事を
    ありがとうございました。

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